「小学生の漢字読み書き調査」関連の記事

まず、以下の記事をどうぞ。この問題についての報道で一番あほ・・・いや、センセーショナルです。これね→yahoo news 赤十字は「あかじゅうじ」―小学生の漢字読み書き調査(共同)
えー、まず、「小学2年生の4人に1人は「犬」を「☆*1」と書」くそうですね。これは単純に、漢字そのものを間違って覚えているのではなくて、書き損じの類だろうということですね。つまり、かれらは点の位置をちゃんと書けなかっただけかと。その理由は、①漢字の形状を大人のように認識できていない、②そもそもまともに線や点をかけない。たとえば、小2の子どもがかいた絵をみれば、彼らがどういうふうに世界を認識してるかってこと、そして、ぜんぜん直線がかけていないってことがわかるでしょう。そりゃもう、めちゃくちゃアバンギャルドですよ。ま、そんなのは当たり前だろってことですね。
で、「『赤十字』は5年生の半数近くが『あかじゅうじ』と読む」そうですが、①赤十字という組織を知らなくて答えられなかった、②組織を知らなくとも、音読みと訓読みの区別がいまいちついてないために間違えた、という理由によるのではないかと。つーか、こんなのはきっと、ちゃんと分析したものが調査報告書に記載されてることでしょう。*2
私が小6か中1ぐらいのとき、教材販売業者が訪問販売に来て、「平方根」という漢字をみせて、「これ、読める?」って聞いてきたもんです。私はちなみに、平方根の記号(√)は知らなくても、音の雰囲気で「へいほうこん」とちゃんと答えられましたが。ええ、中学までは優秀でしたから。で、私がそうこたえると「おー、すごいね(←当然お世辞)みんなこれ『へいほうね』って読んじゃうんだよ」っていってました。まぁ、音訓の識別なんてそんなもんなんでしょうよ。

じゃあ結局は何が問題なんだと。そもそも、こういう間違いしたのは「4人に1人」だけだろ?でもって、「同研究所が1980年に実施した読み書き調査に比べ、全体として正答率はやや高くなった」んでしょ?
って思ったら、さらに最後には、「低学年では『三(み)日月』、『十(とお)日』など日常生活で使う数字を表す読みの正答率が低く、研究所は『漢字を習得するには家庭生活の中でも意識して使うことが必要』としている」っておい、家庭の責任を持ち出しそうな雰囲気ですよ。よくもまぁそんな発言を取ってきたね。発言者が悪いのか、引用した記事が悪いのかは判断しかねるが、記者の根性がやなかんじ。事実を歪曲するような引用を使ってやがる。まぁ、どうぞご勝手にって話ではありますが。

こんな記事書いて、共同どーよ?と思ってgoogleニュースでいろいろ探しました。結局、共同通信社の元記事は確認できずです。しかし、産経と毎日の記事を発見。(これ→産経ニュースと、これ→小学生漢字調査:「川下」「米作」なじみ薄い言葉に)産経は調査結果を肯定的に評価する論者を引用して記事を終えています。で、毎日はもっと慎重です。見出しからして地味です。もはや「毎日さん、これじゃ誰も記事をクリックしてくれないよ?」って感じです。
まぁとにかく、一読して思ったのは、「元になってる事実は同じかもしれないが、違う記者のフィルターを通すと、出来上がる記事もここまで違うか」ということでした。…とまあ、まだ気になった点はありますが、あんま話が長いと、もはや自分が邪魔くさくなってくるのでこのへんでやめときます。
まぁ、この問題で一番深刻な影を落としてるのは、「(注)☆は犬の『、』を大の横棒の右下」なんていうステキに意味不明な説明をしてしまう共同の記者様なんですがね。

*1:(注)☆は犬の「、」を大の横棒の右下

*2:webではみつけられなかった。調査機関のNTS教育研究所の中も探してみたんだけどなー。