数字と感覚―ジニ係数と格差感

某所経由で知りましたが、毎日が神野さんと一緒に組んでジニ係数を出したそうで(参照)。曰く、「小泉純一郎前政権の間に地域間格差が開いたことを示した」そうです。
また、毎日では、格差が拡大したと思うかどうかっていう世論調査もやったようです(参照)。


この二つをざっと読んで思ったのは3点。ちなみに、内容の妥当性については判断しません(出来るほどのお味噌がありません)。


一つ目、世論調査だけじゃなく、データも示したのはえらい。今後はこういう形で調査報道が進むといいですね。
こういうスタンスの報道が定着すれば、「世論調査の結果=国民の共通認識」ってことにして、調査結果を既成事実化しないようになるかもしれないし(かなり願望)。


二つ目、世論調査の質問文はだめ。例えば、こんなんでした↓(*カッコ内は回答結果です。単位は%)。

地域の経済力や暮らしやすさについて、都市部と農村部でさまざまな地域間格差があると指摘されています。地域間格差についてどう考えますか。
・早急に是正すべきだ(全体40、男41、女40)
・格差があるのはやむを得ない(全体42、男45、女39)
・格差は感じていない(全体10、男8、女11)

この質問をしたいなら、先に格差があると感じるか否かを聞かなきゃだめです。なぜなら、「格差があると指摘されている」という文章が質問文に組み込まれてると、「格差が存在している」という意識を回答者に植え付け、回答者の判断を誘導することになるからです。


三つ目、ジニ係数の方の記事で、「地域間格差は4月の統一地方選の主要争点になりそうだ。」って書いてますけど、これは毎日の意見でしかないですね。新聞って「・・・になりそうだ」っていう展望を書くときは、記者(とデスク)の判断に全てが委ねられているようなので、結局こういう展望部分を読むときは、「意見か憶測」と割りきることになってしまいます。
事実と意見が同じパラグラフに書いてあるのは新聞だから仕方ないですけど(新聞記事は最初のパラグラフで結論が分かるようにしなきゃならんので、事実と考察は混在してしまう)。ある意味、署名が【統一地方選取材班】ってなってるだけ、責任の所在が分かりやすくてよいですね(格差を選挙戦の争点にしたいのだなぁ)。


とまぁこんなとこです。今回は「今日の・・・」はナシです。