「マスコミ」を「マスゴミ」と言って切り捨ててしまう態度について

これは結構前から漠然と頭の中にあって,いつのまにか奥底に沈んでたようなんですが,最近また浮上してきたので出してみます.で,話題はというと,例の電車事故に関する報道と,それへのリアクションを指してのことです.あの事件の報道のあり方を指して,マスコミを糾弾するような議論がネット上で非常に盛り上がってますね.で,ひとつ思ったんですが,「マスコミを『マスゴミ』と表現してしまうと,『自分もその位の品位(=マスコミの一部の悪辣記者の皆様方と同レベルの品位)ですよと表明しているようなもんではないか?」と思ったりしたわけです.
以下,「マスゴミ」という言葉を使用することの問題点について述べます.ちなみに,ここで私が問題視しているのは,「マスゴミ」という言葉を使うことそれ自体だけではなく,この言葉を簡単に使用してしまうような態度(メンタリティといったほうが分かりやすいかも)も含みます.
で,何が問題か?それは,「マスコミ側に,まっとうな批判として取り扱われない蓋然性が高くなる」といことです.*1
なぜそうなるか?理由は単純です.何らかの批判をする場合,批判している人間が自らの襟元を正していなければ,その批判の説得力はないということにつきます.まぁ,他人にケチをつけたいのなら,自分のことを棚に挙げてるのが分からないようにしないと説得力無いのよーってことですね.*2
まぁとりあえず今の頭の回転だとこの程度ですかね.んー,もうちょっとなんか思いつきそうだったんだが・・・まぁしゃーないかな.

*1:「そもそもマスコミ連中は一般人の批判なんて聞く耳を持っていないだろーが」という指摘も考えられますが,それについては態度を保留します.私は,その可能性を否定しませんが,メディア関係者が,メディア批判に対して一切聞く耳をもっていないとは考えられません.

*2:まぁ,個人的には自分のことを棚にあげていようが,その言論だけで説得力があるかどうかを判断してもいいじゃないかとは思うのですが.というかむしろ,ある意味ではそのほうが言論の強度・精度だけで勝負ができるから,より建設的な議論を組み立てやすいのではないかなぁーとも思ったりもして.