汎用性の高い概念・理論と普遍性の高い概念・理論

汎用性の高い概念とは、その概念の適用範囲が広いものをさす。たとえば、ゲーム理論(特に、囚人のジレンマ)がこれにあたる。ゲーム理論は、ほとんどの社会科学において利用されているように思われる。――また、個人的には、「思考の射程距離」というアイデアも結構汎用性はあると思う。ほとんど使われてないけど。――英語で、汎用性はversatilityと表現される。
これに対し、普遍性の高い概念とは何なのだろうか。普遍性は、英語ならuniversalityと表現される。普遍とは、「(1)広く行き渡ること。(2)すべてのものにあてはまること。すべてのものに共通していること。(3)〔哲・論〕〔universal〕(ア)宇宙や存在の全体にかかわっていること。(イ)複数の個物について共通に述べられ得る事柄。普通名詞に対応する項辞ないし概念。」(*三省堂大辞林 第二版』)だという。
・・・とまあ、辞書的な定義を見たが、これは別に参照してもしなくても別によかった。昨日のメモと同じく、今日も仕切りなおす。
要するに、「汎用性が高い」というのは、「普遍的である」という意味とは厳密には異なるのだ。ってなことを忘れないようにここに残しとこうとおもう。
で、違いはどこにあるかというと、「汎用性が高い」といったとき、その理論・概念は道具として使える、つまり、これは便利な概念・理論だということを意味している。これに対し、「普遍的である」といったときには、その概念・理論を道具として認識しているのではない。つまり、便利な道具だといっているのではないのだ。
では、ある概念・理論が普遍的だというとき、その概念・理論にたいしてどのような認識があるのか。それは正直まだはっきりと言い表せないので、この問題については保留しておく。